ギターモデル

Fender Telecaster Bass(テレキャスター・ベース)

Fender Telecaster Bassとは

Fender Telecaster Bass(テレキャスター・ベース)は、1968〜1979年にフェンダーが販売していたエレクトリックベースギターのモデル。

初期バージョン:1968〜1971年
セカンド・バージョン:1972〜1979年

1984年にフェンダー・ジャパンが’51 Precision Bassのリイシュー版をリリース。名称は異なるが、このモデルは実質、Telecaster Bassの初期バージョン(1968〜71年モデル)のリイシューである。

2007〜2014年にフェンダー傘下のSquier(スクワイヤー)が「Vintage Modified Precision Bass TB」を再販。これは、セカンド・バージョンにあたるモデルのリイシュー。

短期間ではあるが、ピンク・ペイズリーとブルー・フローラルのTelecaster Bassも販売されていた(1968〜69年頃)
※ピンク・ペイズリーとブルー・フローラルは塗装のトップのクリアコートにひびが入りやすいという欠点があったため、無傷の個体は少ないと言われる。

Telecaster Bassの原型、名前について

Telecaster Bassは、1950年代初期(51年後期〜54年初期)の Fender Precision Bass(プレシジョン・ベース)の復刻モデルである。「Telecaster」というギターモデルと同じ名前が付いているが、スペック的にテレキャスとほとんど関係がない

ヘッドストックの形状をギターのTelecasterを元にしている点を除けば、初期のPrecision Bassがほぼ原型になっている。
※ただし、初期のPrecision Bassのヘッドストックも同型なので、Telecaster特有の要素はほぼない。

Precision Bassの当時の販売価格が293.5ドルであったのに対し、Telecaster Bassは302.5ドルと少し高い価格設定で販売されていた。Jazz Bassの価格が356.5ドルであったので、価格的にはPrecision BassとJazz Bassの間の位置づけ。

Telecaster Bassのヘッドストック
※プロトタイプ・モデルのみ

1951年モデルのPrecision Bassのヘッドストック

1968年製のTelecaster Bass

1951年製のFender Precision Bass

初期バージョンとセカンド・バージョンの違い

初期バージョン:1968年製Telecaster Bass

セカンド・バージョン:1972年製Telecaster Bass

セカンド・バージョンで変更された点

  • ネック
    3ボルト・ネック(3点止め)、およびマイクロティルト機構を備えたジョイント方式を採用
    ※マイクロティルト=ネックの取り付け角度が変更可能なシステム
    ※初期モデルは4ボルト・ネック
    (4点止め)
  • トラスロッド
    ヘッド側で調整する「ブレット型トラスロッドナット」を採用
    ※初期モデルはボディ側でトラスロッドを調整
  • ピックアップ
    ハムバッキングを採用
    ※初期モデルはシングルコイル)
  • コントロールプレート
    コントロールプレートを廃止
    ※初期はクローム製のコントロールプレート搭載
  • ピックガード
    コントロールまでかかるタイプに変更
  • ヘッドストック
    72-79年モデルを継承したTelecasterスタイル
  • デカール
    ロゴがシルバーからゴールドに変更、ブラックのアウトライン

参考:A History of the Telecaster Bass | Fender Guitars

Telecaster Bassの試奏動画

初期バージョン:1968年製Telecaster Bassの試奏動画

セカンドバージョン:1972年製Telecaster Bassの試奏動画

Squier製:Vintage Modified Precision Bass TB
こちらはセカンドバージョンの復刻版

Squier製:Vintage Modified Telecaster Bass
こちらはギターのTelecasterのデザインをベースにしたモデル(2012年リリース)。ピックガードやコントロールプレートがTelecasterを踏襲したデザインになっている。

ABOUT ME
執筆者:稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2021年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目(製作中):
Stand -Alone


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ ギタークラフト製作日記