ギターモデル

Music Man StingRay(スティングレイ)

Music Man StingRayとは

StingRay(スティングレイ)は、アメリカのギターブランド・Music Man(現Ernie Ball Music Man)が1976年から販売しているエレクトリックベースのモデル。1976年のリリース以降、現在も販売されている人気のベースモデル。ギターモデルも存在する。

「Stingray」は毒棘を持つエイの英語名(アカエイ=Red Stingray、ムツエラエイ=Sixgill Stingrayなど)。「Sting」は「針」や「とげ」、「Ray」は「エイ」という意味。

Music Manについては別記事で解説

StingRay Special 1H
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StingRayベースの歴史

Music Manは、Fenderの創業者であるレオ・フェンダー氏、Fenderの副社長を務めていたフォレスト・ホワイト氏、同社のアンプ設計者をしていたトム・ウォーカー氏らが1974年に立ち上げた会社。

StingRayは、レオ・フェンダー氏、トム・ウォーカー氏、そしてスターリン・ボール氏(テストプレイヤーとして携わる)により開発が進められた。1976年、StingRayはMusic Man初のベースモデルとしてリリース。現在はMusic Manはギターモデルも製造しているが、StingRayというベースモデルからその歴史が始まった。

※スターリン・ボール氏は、後にMusic Man社を買収(1984年)するErnie Ballの創業者アーニー・ボール氏の子息。スターリン氏は現在Ernie Ball Music Manの社長を務めている。

StingRayがリリースされた当時、エレキベースの回路はパッシブ・サーキット(※1)が主流だった。そんな時代に、StingRayはエレキベース初となるアクティブ・サーキット(トレブルとベースの2バンドEQ付属 / ※2)搭載モデルとして登場した。

その他、ピックアップはハムバッカー1基マウント、ペグを3対1で配置したヘッドストック、大型スクリューで固定されたブリッジなど、特徴的な仕様のベースモデルであった。

1984年、Music Man社がギター弦メーカーのErnie Ball社に買収され、Ernie Ball Music Manとなる。買収に伴い、1984年以降のモデルのロゴがErnie Ball Music Manとなった。

Ernie Ball買収前と買収後のモデルを区別するため、買収前のMusic Man製品は「プレアーニー」と呼ばれる。Ernie Ball買収後のStingRayは、以下の変更が加えられた。

  • ネックプレートを3点止めから4点止めにしてネック強度を向上(現在は6点止め)
  • EQにミッドレンジ・コントロールを加えて音作りの幅を広げる
  • ブリッジは裏通しから表通し/トップロードへ(Classic StingRayでは裏通しを復刻)
  • ネック裏の塗装をオイルフィニッシュ仕上げにして演奏性を向上
  • 簡単にネック調整ができるトラスロッドを採用

1987年にはErniie Ball Music Man初となるベースモデル・StingRay 5がリリースされた。以降、StingRay 5は5弦ベースの定番モデルとなっている。

プレアーニー時代のStingRayのヘッドロゴ。当時はStingRayBassという表記だった。

買収後のErnie Ball Music Manのロゴ。StingRayBassからBassの表記がなくなった。

※1:パッシブ・サーキット
プリアンプを内蔵しない一般的な回路

※2:アクティブ・サーキット
本体にプリアンプが内蔵されており電池で駆動する
ボリューム、トーンの他、付属しているイコライザーで高域や低域を調整できる

StingRay上位モデルSABRE

現在はハムバッカー2基搭載のStingRayモデルがあるが、当時は2ハム仕様のベースをSABRE(セーバー)というモデル名で販売していた。SABREは1978年にStingRayの上位機種としてリリースされたモデル。ヘッドストックにStingRay Bassの表記のある個体も存在する。

2013年にLimited Edition Classic Sabre SLEDGEとして復刻し、限定販売された。

StingRay 40th Old Smoothie

スターリン・ボール氏が所有していたStingRayのプロトタイプ#26を復刻した「StingRay 40th Old Smoothie(オールド・スムージー)」。ミュート付きクラッシック・ブリッジ搭載で、ストリング・スルー・ボディ(裏通し)になっている。

プレアーニー時代のErnie BallのないMusic Manロゴで復刻。スターリン氏はプロトタイプ#1からテストプレイしており、プロトタイプ#14や最初に作られたフレットレス・ベースも所有しているそうだ。

参考:スティングレイの誕生に関わってきた男/STERLING BALL Interview

スターリン・ボール氏とStingRay 40th Old Smoothie

Sterling / Sterling by Music Man

Sterling(スターリン)は、StingRayを一回りコンパクトにしたモデル。StingRayが元になっているのでデザインは似ているが別のモデル。モデル名はスターリン・ボール氏が由来。

Sterling by Music Manは、Music Manの廉価版ブランド。モデル名のSterlingと同じなのでややこしいが、Sterling by Music Manというシリーズ名で展開している。

Music ManからStingRayに似たSterlingが販売されており、しかもSterling by Music ManからStingRayモデルが販売されているのでややこしい。ヘッドロゴが異なるので、以下の画像を見比べてほしい。

こちらはMusic ManブランドのSterling。ヘッドロゴは「Ernie Ball Music Man Sterling」の表記。本機はStingRayではない。
※画像クリックで拡大

こちらはSterling by Music ManブランドのStingRay廉価版モデル。ヘッドロゴは「Sterling by Music Man StingRay」の表記。
※画像クリックで拡大

StingRayギターの歴史

ベースモデルのStingRayが発表された1976年当時、ギターモデルのStingRayも存在した。StingRay ⅠStingRayⅡが1976年から1978年頃まで製造されていたようだが、ベースと違い短い期間で生産中止となったようだ。

こちらは1976年製のStingRay Ⅰ

復刻モデル・StingRay Guitar

2016年にStingRayのギターモデルが復刻。StingRay Ⅱをベースに、現代スペックに合うようにリニューアルしている。モデル名は「StingRay Guitar」。

  • StingRay Ⅱのペグの配列は片側6連だったが、4対2の配置に変更
  • ネックプレートは3点止めだったが、5点止めに増強されている
  • オリジナルはアクティブ・トーン・サーキットだったがパッシブ・サーキットに変更
  • こちらはネックにローステッド・フィギュアドメイプル/ローズウッド/エボニーを使用したStingRay Guitar RS

    Music Man StingRay(ベース)の試奏動画

    1978年と79年製プレアーニーのStingRay

    1985年製のStingRay

    Ernie Ball買収直後のStingRay

    5弦ベースのStingRay 5

    2021年製DarkRay

    Darkglass Electronics社とのコラボで誕生したスペシャル仕様のStingrayモデル「DarkRay」

    Music Man StingRay(ギター)の試奏動画

    1976年製StingRay Ⅰ

    1976年製StingRay II

    復刻したStingRay Guitar

    StingRay IIをベースに現代スペックに合わせて復刻したStingRay Guitar

    ABOUT ME
    執筆者:モジャー・メイヤー
    ギターコンシェルジュ運営者。ギター歴25年。 愛機:Stilblu #036 / #039 /#099、Fender Custom Shop 1956、g'7 special | 好きなバンド:U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN