ギター用語

ローステッドメイプル ‐ 高温で加熱処理されたメイプル材

Bacchus BST-2 RSM
Bacchus BST-2 RSM / ローステッドメイプルネック

ローステッドメイプルとは

「ローステッドメイプル」は、メイプル材を200度前後の高温で加熱処理したもの。主にネック材や指板材として用いられている。「サーモウッド」の一種。

Gibsonでは「ベイクドメイプル」と呼ばれる。

高級機種で使われることの多いローステッドメイプルネックをリーズナブルな価格帯に落とし込んだBacchusの「BST-2 RSM」。

Bacchus BST-2 RSMBacchus BST-2 RSM / ローステッドメイプルネック

ローステッドフレイムメイプル

縞模様の入ったメイプルをロースト加工したものを「ローステッドフレイムメイプル」と呼ぶ。ローストされたフレイムメイプルはその杢目がより濃く目立つ。

ローステッドフレイムメイプルネックのギターStilblu #099 / ローステッドフレイムメイプルネック

フレイムメイプルについては以下の記事で解説

フレイムメイプル
フレイムメイプル − 炎のような縞模様の杢フレイムメイプルとは 「フレイムメイプル(flame maple)」は、縞模様の入ったメイプル材のこと。「フレイム」は英語の「flam...

ローステッドメイプルの特徴

強度・安定性

加熱による乾燥で内部の水分や油分を揮発させることで、含水率が下がり「反り」や「ねじれ」が出にくい安定かつ軽量なネック材となる。フレイムやバーズアイといった「曲がりやすい」とされているフィギュアドメイプルには特に効果的で、その木目もさらに強調される。

また、加熱処理をする工程の中でねじれが発生する「ハズレ」の材もあり、そういった欠陥材を発見し排除できることで、より確実に安定した材を供給することができる。

サウンド面

ロースト加工を施すことにより、材は経年変化した状態へと近づく。そのためヴィンテージライクな枯れたサウンドになると言われる。

ルックス面

加熱によってこんがりと焼けたカラーになる。加熱時の温度など、ローストの具合はメーカーや調整次第で異なるため、程度によってその色合いも異なる。浅いロースト具合でも、塗装によって濃く見せている場合もある。

ちなみに、高温での加熱処理とは言っても直接火で炙るようなことはなく、特殊な加熱装置の中で無酸素状態で加熱されるため、木材が燃えたり焦げてしまうというような心配はない。

ローステッドメイプルのメリット・デメリットまとめ

  • 反りやねじれに強く、安定したネックになる。
  • 軽量になる。
  • ヴィンテージライクな枯れたサウンドに。
  • こんがりと焼き目のついたルックスになる(好みの問題なのでデメリットもなり得る)
  • 特別な加工のため高価になりがち。
  • 乾燥しているため、衝撃には弱くなる。(割れやすい、折れやすい等)
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執筆者:タケ
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

ギター歴23年。

愛機:Gibson Les Paul Custom、Black Cloud Aging Label #022、Stilblu #100、Legator Ninja N7FX

日々、ギターのお勉強中。
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