ギタークラフト

3作目の埋木とヘッド耳材の接着、指板の調整:ギタークラフト学校日誌(143)

今日はトラスロッドの埋木の続きからやっていきます。

ロッド溝に対して埋木のほうの厚みがあるので、豆平鉋でざっくり削ったのち、スクレイパーで微調整しながら合わせていきます。
ロッド溝にはめ込んだときに、軽く押し込んでスッと入るくらいの幅にするのが理想です。
2作目は少し削りすぎてブカブカになってしまったので新聞紙を巻いて補正したのですが、今回は新聞紙なしでいけました。天才。

厚みの調整ができたので、ロッド溝に埋め込んだときに柔軟にはまるように切れ込みを入れます。
前回のロングスケールのネックでは切れ込みは5箇所入れましたが、今回はミディアムスケール、かつ最も短いロッドを使っているので切れ込みは4箇所でいきます。
埋木の下側から5mm残しくらいの位置までバンドソーで切れ込みを入れました。

切りすぎたネックジョイントの接着ができたので、再度罫書きをします。
ネックの仕込み角があるので、ネックグリップあたりからネックエンドまでのラインは斜めになっています。

次は埋木の接着と、ヘッドの耳材の接着をします。
埋木は側面にのみ接着剤を塗り、ロッドと接する底面は接着剤を塗りません。
ヘッドの耳材は余裕をもたせた大きさで接着します。

ヘッドの耳材を接着する際は、ほんの少し段差をつけておきます。
段差をつけすぎると後で削るときに手間がかかるので、触って段差があることがわかるくらいの高さでOKです。

接着で1日置いておくので、その間に指板の調整を進めます。
今回選んだ指板はこちらのローズウッド。
ヴィンテージっぽいくすんだ色合いにしたいのですが、少し緑がかったというか黄身がかった色の指板を選びました。

接着をするともう二度と見ることがないであろう指板の裏面。
ミディアムスケールを示す「628」と書かれています。
さよなら、裏面。

まずは指板の長さを調整します。
今回は22フレットなので、その1フレット後ろが最終フレットになります。
その最終フレットの少し先で切断します。

次は0フレット側を切断します。
今回は角度ありヘッドなので、0フレットの半分くらいの位置で切断。


次は指板幅を調整します。
今回は0フレットで43mm、最終フレットで57mmの幅にしたいので、罫書き+マスキングテープで印をつけます。

豆平鉋でマスキングテープの位置まで削っていきます。

と、今日はここまで。
明日も指板とネックをやっていきます。

ABOUT ME
執筆者:稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
ギタークラフト製作日記
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