ギタークラフト

【4作目】指板幅の加工、指板のポジションマークの埋め込み:ギタークラフト学校日誌(191)

ホンジュラスローズウッドのギター指板にドットポジションマーク用の穴を掘り終えたところ

今日は指板加工をします。

↓前回作業

ギターネック材のグリップ面が平行に削れているか木製のスケールで確認
【4作目】ネックグリップ粗加工:ギタークラフト学校日誌(190)今日はネックグリップの粗加工をします。 ↓前回作業 https://guitar-concierge.com/guitar-...

今回は指板にホンジュラスローズウッドを使います。
赤みがかかっていて濃くて、木目が真っ直ぐなかっこいい個体。
ホンジュラスローズウッドのギター指板

裏側。
ホンジュラスローズウッドのギター指板の裏側

今回は22フレット仕様にします。
ホンジュラスローズウッドのギター指板のフレットの位置

最終フレットの22フレット+1フレットぶんのところで切断します。
ぴったりで切るのではなく少し余裕を残しておきます。
ホンジュラスローズウッドのギター指板のエンド側の不要な部分をミシンノコで切断

指板幅を調整するので、センターラインと仕上げ線を罫書きします。
線が見えにくいときはマスキングテープを貼った上に罫書きをしますが、今回は指板に直接罫書き。
ホンジュラスローズウッドのギター指板にセンターラインを罫書き

豆平鉋で仕上げ線の0.2mmくらい手前まで削ります。
エコノミーサンダーで仕上げるので、仕上げ線の手前で止めます。
ホンジュラスローズウッドのギター指板の厚みを豆平鉋で削っているところ

エコノミーサンダーでの仕上げも終わった状態です。
エコノミーサンダーでホンジュラスローズウッドのギター指板の厚みを削り終えたところ

エコノミーサンダーでの調整は先生にやってもらいました。
ノギスで幅を測りながら&プロトラクターで角度を測りながら削っていました。
ノギスでホンジュラスローズウッドのギター指板の角度を確認

本作のナット幅(0フレット)は43mm。
ノギスでホンジュラスローズウッドのギター指板の0フレットの幅を確認

指板エンドの幅は56mm。
プロトラクターでホンジュラスローズウッドのギター指板のエンドの幅を確認

次はポジションマークの埋め込みをします。
今回はドットポジション。

ブルーのシャーペンで罫書き。意外と見やすい。
指板面のポジションマークの罫書きは、指板の両端を交差するように線を結びます。
ホンジュラスローズウッドのギター指板にポジションマークの罫書き

ドットポジションはΦ6.5のビットで穴を開けます。
深さは1.7〜1.8mm(ドットポジションの素材の厚みが2.0mmなので)。
ビットの0地点は先端を除いた箇所に設定するので、中心は1.7〜1.8mm以上掘れることになります。

指板はヘッド側とエンド側で厚みが異なる場合があるので、ノギスで幅を測ってからボール盤のセッティングをします。
穴は深すぎるとドットポジションが埋もれてしまいますし、浅すぎると削る量が増えてしまうので、深さが1.7〜1.8mmになるように細かく調整しながら掘ります。
ボール盤でホンジュラスローズウッドのギター指板にドットポジションマーク用の穴を開ける

ひとつひとつ穴の深さを測りながら、掘る深さを設定して掘り進めます。
この指板はエンド側のほうが少し厚かったので、ヘッド側と同じ設定だと深く掘れてしまいます。
なので、エンド側は深さを浅めに設定して掘りました。
ボール盤でホンジュラスローズウッドのギター指板にドットポジションマーク用の穴の深さをノギスで確認

ドットポジションの穴あけが終わりました。
ホンジュラスローズウッドのギター指板にドットポジションマーク用の穴を掘り終えたところ

ドットポジションの接着には木工用接着剤を使います。
穴に木工用接着剤を直接塗布します。
ホンジュラスローズウッドのギター指板のドットポジションマーク用の穴に木工用接着剤を流し込んでいるところ

ドットポジションを埋め込んだら、千枚通しの持ち手の裏などでギュッと押し込みながら硬化剤を吹き付けて硬化させます。
ホンジュラスローズウッドのギター指板に埋めたドットポジションマークを硬化させているところ

ドットポジションの埋め込みが終わりました。
ホンジュラスローズウッドのギター指板にドットポジションマークを埋め込み終えたところ

出っ張っている部分は鉄ヤスリで削ります。
ホンジュラスローズウッドのギター指板のドットポジションマークの出っ張りを鉄ヤスリで削っているところ

鉄ヤスリで削る際、指板に横傷がつくと後で修正がしにくくなるので、指板に対して縦方向に動かして削ります。
ホンジュラスローズウッドのギター指板のドットポジションマークの出っ張りを鉄ヤスリで削っているところ

小さい鉄ヤスリも使ってゴシゴシ。
触って出っ張りがほとんど感じられないくらいまで削ります。
ホンジュラスローズウッドのギター指板のドットポジションマークの出っ張りを鉄ヤスリで削っているところ

ドットポジションの加工が終わったら、R付きの板ですり合わせをします。
今回は305Rの指板にするので、R付きのすり合わせ板も305Rのものを使います。
サンドペーパーは#150〜#320を使用。
番手は指板の傷の状態に合わせて選びます。
今回は#150を使用。
ホンジュラスローズウッドのギター指板をR付きのすり板ですり合わせ

ここでは削りすぎず、目立つ傷が取れる&指板全体に使っている番手の傷がつけばOKです。
ホンジュラスローズウッドのギター指板をR付きのすり板ですり合わせが終わったところ

次はサイドポジションマークを埋め込みます。
サイドポジションマークは、フレット溝の下部を線で結び、幅の中心点となる位置に目打ちをします。
穴は、ハンドドリルΦ2で深さ4mm。

千枚通しで木工用接着剤を流し込み。
ホンジュラスローズウッドのギター指板のサイドに開けた穴に千枚通しで木工用接着剤を流し込み

サイドポジションマークの素材を穴に挿し、玄能で叩いて埋め込み。
飛び出た部分は1mmくらい残してニッパーで切断。
ホンジュラスローズウッドのギター指板のサイドに開けた穴にポジションマークを埋め込み

サイドポジションマークの埋め込みが終わりました。
2個並びの12フレットのサイドポジが平行でないのが気になる、、、
ホンジュラスローズウッドのギター指板にサイドポジションマークを埋め込み終えたところ

飛び出た部分はノミで削ります。
サイドポジの素材は柔らかいのでさくさく削れる。
ホンジュラスローズウッドのギター指板に埋め込んだサイドポジションマークが飛び出た部分をノミで削っているところ

サイドポジションの埋め込みも完了。
ホンジュラスローズウッドのギター指板に埋め込んだサイドポジションマークが飛び出た部分をノミで削り終えたところ

今日はここまで。

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
ギタークラフト製作日記
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