ギターモデル

Fender Bullet(フェンダー・バレット)

Fender Bulletとは

Fender Bullet(フェンダー・バレット)は、フェンダーが1981〜1983年に発売していたソリッドギター。リーズナブルな価格のスチューデント・モデル(初心者向け)として販売されていた。

フェンダー製造のBulletは1983年で製造中止となったが、フェンダー傘下のSquier(スクワイヤ)に引き継がれ、廉価版シリーズにBulletの名が使われている。

フェンダーブランドのBulletは、1stバージョン、2ndバージョン、3rdバージョンがある。3rdバージョンは、標準モデルの「Bullet」「Bullet H-1」「Bullet H-2」「Bullet S-2」「Bullet S-3」の5つのモデルが存在する。このうちS-2、S-3、H-2は、2ndバージョンのBulle Deluxe(デラックス)に該当するモデル。

3rdバージョンの仕様(詳細は後述)
【合金ピックガード】
・Bullet(2シングルコイル・ピックアップ)
・Bullet H-2(2ハムバッキング)

【プラスチック製3プライ・ピックガード】
・Bullet S-2(2シングルコイル・ピックアップ)
・Bullet S-2(3シングルコイル。ピックアップ)
・Bullet H-2(2ハムバッキング)

Fender Bullet年表

  • 1981〜1983年
    1980年に製造中止となったMustangとBloncoに代わる、新しいスチューデント・モデルとしてBulletが開発された。設計はジョン・ペイジ(現Fender Custom Shopマネージャー)。
  • USAバージョン1(1981年)
    「Bullet」と「Bullet Deluxe」の2つのモデルを韓国で製造開始。ボディとネックを韓国の工場で製作し、米国のフェンダー工場で組み込みを行っていた。しかし、ボディの見た目が悪く、トラスロッドの効きが悪いといった問題が発生。安価なスチューデント・モデルとはいえ、フェンダーギターの品質に合致しないことからリコールを行った。
  • USAバージョン2(1982〜1983年)
    リコール後は米国のフラートン工場で製造。1982年前半に2ndバージョン、1982年後期に3rdバージョンがリリースされた。
  • 1983年以降〜現在
    フェンダーブランドによるBulletシリーズは1983年に終了。以降はスクワイヤにブランドを以降し、廉価版シリーズの名称にBulletの名が引き継がれた。

Fender Bulletの特徴

Bullet 1stバージョン

  • ボディ
    ボディシェイプはテレキャスター風だが、アッセンブリーはストラトキャスターという設計。
  • ヘッドストック
    テレキャスター・スタイルのスモールヘッドタイプ。ペグはKLUSON DELUXE(クルーソン・デラックス)の2ライン(2列刻印)タイプを搭載。
  • ネック
    メイプルネックのローズウッド指板。スケールは、スチューデント・モデルでありながら、レギュラー仕様と同じ25.5インチを採用。
  • ピックアップ
    1stバージョンは2シングルピックアップ仕様。ピックアップには白いカバーが装着されている。
  • ピックガード
    標準仕様のBulletはブリッジ・プレート一体型の金属製ピックガード。Bullet Deluxeは塩化ビニール製ピックガードを仕様。

Bullet 2ndバージョン

  • ボディ
    アッシュ材/アルダー材。初期はテレキャスター風のボディシェイプだったが、1982年後期からストラトキャスターを細くしたようなボディシェイプに変わった。
  • ネック
    メイプルネック+ローズウッド指板から、メイプル1ピースに変更。

Bullet 3rdバージョン

Bullet H-2

  • Bullet(2シングルコイル・ピックアップ)
    ブリッジ・プレート一体型鉄製ピックガードを使用。1ボリューム/1トーンコントロール。
  • Bullet H-1(1ハムバッキング)
    ブリッジ・プレート一体型鉄製ピックガードを使用。1ボリューム/1トーンコントロール。ボタン型のコイル・タップ・スイッチを搭載。
  • Bullet S-2(2シングルコイル・ピックアップ)
    ホワイトのプラスチック製ピックガード。1ボリューム/1トーンコントロール。スイッチ/コントロールは標準モデルと同じ仕様
  • Bullet S-3(3シングルコイル・ピックアップ)
    ホワイトのプラスチック製ピックガード。1ボリューム/1トーンコントロール。セレクターは5ウェイ。
  • Bullet H-2(2ハムバッキング)
    ホワイトのプラスチック製ピックガード。セレクターは3ウェイ。2つのボタン型コイル・タップ・スイッチを搭載。

1982年製 Bullet S-2の試奏動画

1982年製 Bullet S-3の試奏動画

1982年製 Bullet H-2の試奏動画

SquierのBulletシリーズ

1983年からはBulletシリーズはSquierブランドになり、日本で製造されることとなった。SQシリアルのモデルは日本製。1985年には、コスト削減のために再び韓国で製造されることになる。ネックプレートにEシリアルが刻印されているモデルは韓国製。

1999〜2005年に製造されていたSquier BulletSpecial。1シングルコイル・ピックアップ仕様で、6つのカラーバリエーションが存在した。

2005年に中国で製造される「Bullet Strat」という名称のモデルが登場。これは現在(2020年時点)でも製造されているモデル(一部製造されていないモデルあり)。ストラトタイプは5つのモデルがあり、それぞれピックアップの組み合わせが異なる。ムスタングタイプのモデルもある。

参考書籍:フェンダー解体新書 バラして納得! 量産型エレキ・ギターの構造と美学

ABOUT ME
執筆者:稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
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