Em7(♭5)とは
- Em7(♭5)は、「ルート + 短3度 + 減5度」の減三和音(ディミニッシュ・トライアド)に短7度(マイナー7th)の音を足したコード
- 表記:Em7(♭5)、または♭を省略したEm7-5がよく使われる
- 読み方:Em7(♭5)(Eマイナーセブンス・フラット・ファイブ)
- ディミニッシュ・トライアドのEdim / Em(♭5)に短7度のDの音を足したのがEm7(♭5)
- Em7(♭5)は、Em7の完全5度の音を半音下げて減5度(♭5)にしたコードとも言える
- Em7(♭5)のように「減三和音」に「短7度」を加えた和音を日本語で以下のように呼ぶ
導七の和音(どうしちのわおん)
減五短七の和音(げんごたんしちのわおん)
半減七の和音(はんげんしちのわおん)
※いずれもm7(♭5)の呼称 - Edim / Em(♭5)に減7度を足したEdim7(ディミニッシュ・セブンス)とは別のコード
- Em7(♭5)は三和音の部分がディミニッシュになっていることから、Eハーフ・ディミニッシュ(略記:Eφ)と呼ばれることも
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | – |
---|---|---|---|---|
Edim Em(♭5) | E | G | B♭ | – |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
Em7(♭5) | E | G | B♭ | D |
Em7(♭5)とEdim7の違い
- Em7(♭5)は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に短7度(Eから数えてDの音)を加えたコード
- Edim7は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に減7度(Eから数えてD♭の音)を加えたコード
- Em7(♭5)は「導七の和音(半減七の和音)」、Edim7は「減七の和音」と呼び分ける
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
Em7(♭5) | E | G | B♭ | D |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
Edim7 | E | G | B♭ | D♭ |
Em7(♭5)とGm6は構成音が同じ
- Em7(♭5)とGm6は構成音が同じなので、互いに転回形として使える
※転回形=最低音がルート以外の場合のコード
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
Em7(♭5) | E ミ | G ソ | B♭ シ♭ | D レ |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 完全5度 | 長6度 |
Gm6 | G ソ | B♭ シ♭ | D レ | E ミ |
コードネームの表記
- Em7(♭5)はEm7-5やEφと表記することがある
- Em7(♭5)の読み方は「Eマイナー・セブンス・フラットファイブ」
- Em7-5の読み方はEm7(♭5)と同じく「Eマイナー・セブンス・フラットファイブ」
※「- (マイナス)」は「♭ (フラット)」の略記 - Eφの読み方は「ハーフ・ディミニッシュ」
Em7(♭5)の表記の種類 | 読み方 |
---|---|
Em7(♭5) | Eマイナー・セブンス・フラットファイブ |
Em7-5 | |
Eφ | Eハーフ・ディミニッシュ |
Em7(♭5)コードの指板図一覧
Em7(♭5)のコードトーン表(指板上の構成音の配置)
※コードトーン:三和音、四和音のコードの構成音
ローコードの押さえ方
- ローコード(オープンコード):開放弦を含む押さえ方
- ハイコード:開放弦を含まない押さえ方
ローコード①
■ローコードの押さえ方
1、3、6弦は開放弦
ハイコードの押さえ方
6弦ルート①
■6弦12フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の腹あたりで軽く触れてミュート
5弦は中指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦ルート②
■6弦12フレットをルート音とするハイコード
ローコード①の1オクターブ上(12音上)の押さえ方
12フレットの1〜6弦を人差し指でセーハ
6弦ルート③
■6弦12フレットをルート音とするハイコード
親指は6弦を押弦しながら5弦に軽く触れてミュート
5弦ルート①
■5弦7フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
5弦ルート②
■5弦7フレットをルート音とするハイコード
4弦は中指の腹で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
5弦ルート③
■5弦7フレットをルート音とするハイコード
2〜4弦を人差し指でセーハ
6弦は薬指の先で軽く触れてミュート
4弦ルート①
■4弦2フレットをルート音とするハイコード
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
■1〜3弦を薬指でセーハする押さえ方
4弦ルート②(第二転回形)
■4弦14フレットをルート音とするハイコード
ルート音が4弦にある押さえ方(下記図の薬指の位置)
1弦は人差し指の付け根あたりでミュート
6弦は親指の腹、または中指の先で軽く触れてミュート
※Em7(♭5)コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は5弦13フレットのB♭であるが、
ルート音を4弦14フレットのEとする転回形のコード
B♭はルート音のEから見て減5度の音なので第二転回形となる
3弦ルート①(第二転回形)
■3弦9フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方(下記図の薬指の位置)
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は鳴らないように弾く
※Em7(♭5)コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は4弦8フレットのB♭であるが、
ルート音を3弦9フレットのEとする転回形のコード
B♭はルート音のEから見て減5度の音なので第二転回形となる
■1弦の2〜4弦を人差し指でセーハする押さえ方
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は鳴らないように弾く
Em7(♭5)コードの構成音
度数 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
構成音 | E ミ | G ソ | B♭ シ♭ | D レ |
度数表記の読み方 | |||
---|---|---|---|
R P1 | ルート音 完全1度 | – | – |
M2 | 長2度 | m2 | 短2度 |
M3 | 長3度 | m3 | 短3度 |
P4 | 完全4度 | – | – |
♯4 | 増4度 | – | – |
P5 | 完全5度 | – | – |
♯5 | 増5度 | ♭5 | 減5度 |
M6 | 長6度 | m6 | 短6度 |
M7 | 長7度 | m7 | 短7度 |
– | – | ♭♭7 | 減7度 |
P8 | 完全8度 | – | – |
M9 | 長9度 | – | – |
♯9 | 増9度 | ♭9 | 短9度 |
P11 | 完全11度 | – | – |
♯11 | 増11度 | – | – |
M13 | 長13度 | ♭13 | 短13度 |
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