ギタークラフト

鉋の仕込み〜表馴染みの調整・鉋身の耳取り〜:ギタークラフト学校日誌(6)

ボディのバックカットを鉋を使って削っていくのですが、その前に鉋を快適に使える状態にしないといけません。今日の実習は、鉋台の表馴染みの調整と鉋身の耳取りをしました。

表馴染みというのは、鉋台(木でできている部分)に鉋身(刃物)を差し込んだ時に刃表が当たる傾斜面です。ここの傾斜がきついと鉋身が刃口から出づらい=削りにくくなるので、表馴染みをヤスリで削って少しゆるくします。反対に、表馴染みの傾斜がゆるいと簡単に刃口から刃先が出てしまい調整がしづらいので、マスキングテープなどで硬くします。

こちらは豆平鉋の鉋台です。表馴染みが少しゆるく、鉋身の刃先が出すぎてしまうため、マスキングテープを貼って調整しています。この鉋台では不要でしたが、表馴染みの両側にある押し溝(鉋身の側面が当たる部分)の傾斜が左右で違っていると刃先が傾いてしまうので、ヤスリで削って調整する場合もあります。
豆平鉋の表馴染みにマスキングテープを貼って硬さを調整

表馴染みの調整ができたら、鉋身の耳取りをします。耳取りというのは、切れ刃の両端にある角を落としている部分を刃口に合わせて調整する作業です。買った状態でも耳はあるのですが、そのままだと押し溝に当たってしまい、鉋クズが詰まる原因になります。なので、押し溝に当たらないように耳を削ります。

南京鉋の鉋身の刃先

これは別の鉋(反鉋)ですが、耳取りをし終わった状態です。上記と違って、耳が押し溝に当たっていないのがわかるでしょうか。耳をグラインダーで削った後、砥石で綺麗に丸く整えたので見栄えも良くなりました。

今日はこの他に鉋台の下端(削る時に材と接地する面)の調整もしました。「三所当たり(みどころあたり)」と呼ばれる作業なのですが、これはまた明日解説します。

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
ギタークラフト製作日記
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