7 (セブンス)

A♯7コード=B♭コードの押さえ方12通り・指板図・構成音 (Aシャープセブンス=Bフラットセブンス)

ギタコン運営者:稲垣健太
執筆者:稲垣 健太 Kenta Inagaki
(ケンタトニック)
ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)2023年入学 ギター歴25年 ドラム歴10年
中学2年の時にギターをはじめ、学生時代は軽音楽部でバンド活動に没頭し、卒業後はCDショップで働きながら多様な音楽に触れる。現在はWebディレクションの仕事をしながら、ESPギタークラフトアカデミーに通いギター製作の専門知識・技術を学んでいる。

A♯7(B♭7)コードとは

  • 読み方:
    A♯7 → エー・シャープ・セブンス (セブン)
    B♭7 → ビー・フラット・セブンス (セブン)
  • A♯7は、三和音のAに短7度(マイナー7th)の音を足した四和音のコード
  • ルート音のAから見て短7度はG
    ※短7度:ルート音から数えて半音10個分の距離にある音
  • 短7度(マイナー7th)の音を足すが、コード名は「Am7」ではなく「A7」と書く
    (Aマイナーに短7度を足したA♯m7と区別するため)
  • ABは異名同音(※1)なので、A7とB7は同じコード
    本記事ではA♯7と表記する
  • A♯7のように、長三和音(メジャーコード)に短7度を加えたコードをドミナントセブンス、または属七の和音(ぞくしちのわおん)と呼ぶ
  • A♯7は構成音の長3度Dと短7度Gの関係が「トライトーン(三全音)(※2)」と呼ばれる不安定な増4度(減5度)の音程になるため、A♯maj7にはない緊張感が生まれる
  • 構成音は「ルート・長3度・完全5度・短7度(R・M3・P5・m7)」

※1:異名同音
音名は異なるが実際の音が同じ音

※2:トライトーン
全音3つ(半音6つ)の音程のことで「三全音」とも呼ぶ。
度数で数えると増4度(減5度)の音程。
不安定な不協和音を生み出す音程で、A♯7のようなドミナントセブンスに含まれる。

Amaj7とA♯7の違い

  • A♯maj7とA♯7は、7度の音が長7度(メジャー7th)短7度(マイナー7th)かが異なる
  • Amaj7
    Aトライアド=A♯・D・Fに長7度のAを足したコード
  • A7
    Aトライアド=A♯・D・Fに短7度のG♯を足したコード
コード名ルート音長3度完全5度長7度
Amaj7
(B♭maj7)
A
(B)
DFA
コード名ルート音長3度完全5度短7度
A7
(B♭7)
A
(B)
DFG

A♯7(B♭7)コードの指板図一覧

ギターコード表の見方

  • ギターのAシャープ7コードの指板図
  • ギターのA♯7コードの指板図(3弦3フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのAシャープ7コードの指板図(6弦6フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのAシャープ7コードの指板図(6フレットのハイポジション)
  • ギターのAシャープ7コードの指板図(5弦1フレットをルート音とするハイコードの省略形)
  • ギターのAシャープ7コードの指板図(4弦7フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのAシャープ7コードの指板図(4弦8フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのAシャープ7コードの指板図(4弦8フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのAシャープ7コードの指板図(8フレットのハイポジション)
  • ギターのAシャープ7コードの指板図(5弦13フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのAシャープ7コードの指板図(10フレットのハイポジション)
  • ギターのA7コードの指板図(2弦10フレットをルート音とするハイコード)

▶ ギターコード一覧

ギターコード表の見方

A♯7(B♭7)のコードトーン表(指板上の構成音の配置)

A♯7(Aシャープセブンス)のコードトーン表

※コードトーン:三和音、四和音のコードの構成音

▶ ◯7の構成音
指板上の音の配置一覧

ハイコードの押さえ方

  • ローコード(オープンコード):開放弦を含む押さえ方
  • ハイコード:開放弦を含まない押さえ方

6弦ルート①

6弦6フレットをルート音とするハイコード
6フレットの1〜6弦を人指し指でセーハ

ギターのAシャープ7コードの指板図(5弦1フレットをルート音とするハイコード)

6弦ルート②

省略形
6弦ルート①の押さえ方を省略した形
(ジャズでよく使われる押さえ方)
2〜4弦を人差し指でセーハしつつ、人差し指の第二関節あたりで1弦をミュート
5弦は中指の腹あたりでミュート

ギターのAシャープ7コードの指板図(5弦1フレットをルート音とするハイコード)

6弦ルート③

6弦6フレットをルート音とするハイコード
4、5弦は中指の腹あたりで軽く触れてミュート

ギターのAシャープ7コードの指板図(6弦6フレットをルート音とするハイコード)

5弦ルート①

5弦1フレットをルート音とするハイコード
1フレットの1〜5弦を人差し指でセーハ
6弦はセーハしている人差し指の先で軽く触れてミュート
(セーハ…1本の指で複数弦を同時に押さえる)

ギターのAシャープ7コードの指板図(5弦1フレットのハイコード)

5弦ルート②

5弦13フレットをルート音とするハイコード
人差し指を少し倒し気味に押さえて1弦をミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
押さえる形はC7のローコードと同じ

ギターのAシャープ7コードの指板図(5弦13フレットのハイコード)

5弦ルート③

5弦13フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の腹軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート

ギターのAシャープ7コードの指板図(5弦13フレットをルート音とするハイコード)

4弦ルート①

4弦8フレットをルート音とするハイコード
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート、または鳴らさないように弾く
中指、薬指、小指の押さえ方はD7のローコードの形

ギターのAシャープ7コードの指板図(8フレットのハイポジション)

4弦ルート②

4弦8フレットをルート音とするハイコード
5弦は薬指の先で軽く触れてミュート
5、6弦を親指で軽く触れてミュート
※完全5度のFの音を省略した押さえ方

ギターのAシャープ7コードの指板図(4弦8フレットをルート音とするハイコード)

4弦ルート③

4弦8フレットをルート音とするハイコード
5弦は小指の先で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート、または鳴らないように弾く
(6弦6フレットはルート音のA♯なので親指で押弦しても構わない)

ギターのAシャープ7コードの指板図(4弦8フレットをルート音とするハイコード)

4弦ルート④(第二転回形)

4弦8フレットをルート音とするハイコード
ルート音が4弦にある押さえ方(下記図の薬指の位置)
1弦は人差し指の付け根あたりでミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート

ギターのAシャープ7コードの指板図(4弦8フレットをルート音とするハイコード)

※A♯7コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は5弦8フレットのFであるが、
ルート音を4弦8フレットのA♯とする転回形のコード
Fはルート音のA♯から見て完全5度の音なので第二転回形となる

3弦ルート①(第二転回形)

3弦3フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート、6弦は鳴らさないように弾く

ギターのA♯7コードの指板図(3弦3フレットをルート音とするハイコード)

※A♯7コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は4弦3フレットのFであるが、
ルート音を3弦3フレットのA♯とする転回形のコード
Fはルート音のA♯から見て完全5度の音なので第二転回形となる

2弦ルート①(第一転回形)

2弦11フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方(下記図の人差し指の位置)
5弦と6弦は親指の腹で軽く触れてミュート

ギターのAシャープ7コードの指板図(2弦10フレットをルート音とするハイコード)

※A♯7コードの第一転回形
この押さえ方の最低音は4弦12フレットのDであるが、
ルート音を2弦11フレットのA♯とする転回形のコード
Dはルート音のA♯から見て長3度の音なので第一転回形となる

▶ ギターコード一覧

ギターコード表の見方

A♯7(B♭7)コードの構成音

度数ルート音長3度完全5度短7度
構成音A
D
F
ファ
G
Aシャープ7コードの構成音を五線譜で表記

A7(B♭7)のピアノコード

Aシャープ7コードの構成音を鍵盤で表記
度数表記の読み方
R
P1
ルート音
完全1度
M2長2度m2短2度
M3長3度m3短3度
P4完全4度
♯4増4度
P5完全5度
♯5増5度♭5減5度
M6長6度m6短6度
M7長7度m7短7度
♭♭7減7度
P8完全8度
M9長9度
♯9増9度♭9短9度
P11完全11度
♯11増11度
M13長13度♭13短13度

▶ ギターコード一覧

ギターコード表の見方

画像(指板図やスケール表)は当サイトへリンクを張ってもらえれば転載OKです。

ABOUT ME
執筆者:稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目(製作中):
Stand -Alone


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
ギタークラフト製作日記
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