ギターモデル

Fender Meteora / Meteora HH (フェンダー・メテオラ)

Fender Meteora HH
画像: Meteora HH

Fender Meteoraとは

Fender Meteora(フェンダー・メテオラ)は、フェンダー社が2018年にリリースしたソリッドギターのモデル。正式な製品名は2018 Limited Edition Meteora。「もし並行宇宙が存在したら…」というコンセプトのもとに開発されるParallel Universe(パラレル・ユニバース)シリーズの第8弾として限定販売された。

2019年には、Alternate Reality(オルタネイト・レアリティ)シリーズに2ハムバッカー仕様のMeteora HHが追加された。
※2018 Limited Edition Meteoraは2シングル仕様

さらに2022年、Player Plus(プレイヤー・プラス)シリーズから2ハムバッカー使用のMeteoraがリリースされた。Player Plusは、リーズナブルな価格設定のPlayerシリーズの上位シリーズで、Fenderのクラシックなギターデザインを残しつつ新機能を取り入れたギターモデルをラインナップしている。

Meteoraの独特のボディをデザインしたのは、フェンダーのデザイナーであるJosh Hurst(ジョシュ・ハースト)氏。ジョシュ氏は2011年にMeteoraのデザインを着想し、2018年に形となった。

Meteoraの意味

「Meteora(メテオラ)」は、ギリシア北西部・セサリア地方の北端部の奇岩群の上に建っているメテオラ修道院群の総称。「メテオラ」はギリシア語で「中空の」を意味する「メテオロス」を由来とする言葉。ユネスコ世界遺産に登録されている歴史的価値のある遺跡。
メテオラ / Wikipedia

Linkin Parkのアルバム『Meteora』もこの修道院群が由来。
参考:Meteora(メテオラ)の由来・意味

イタリア語では、「Meteora」=「流星」という意味がある。本モデル名「Meteora」が英語由来かイタリア語由来かは不明だが、Tシャツのデザインに「隕石」が描かれていることから、「流星」をイメージして名付けたと思われる。
FENDER ( フェンダー ) / Meteora Raglan, Gry & Blk L
FENDER ( フェンダー ) / Meteora Raglan, Gry & Blk L

追記:
Meteoraというモデル名は、Fenderの開発最高責任者であるジャスティン・ノーヴェル氏が名付けたそうだ。BARKSのインタビュー記事にて、Meteoraの由来について以下のように回答している。

ジャスティン・ノーヴェル:実は、この名前は私が考えたものなんです。ストラトキャスターやStratosphere(ストラトスフィア)のように、宇宙をテーマにした名前を独り言のように繰り返しつぶやいていた中で思いつきました。でも、名前に「caster」は決して付けたくはなかったんです。だって、ジャガーやムスタングがせっかくその壁を打ち破ってくれたんですから(笑)。
引用:【インタビュー】フェンダー開発最高責任者J.ノーヴェル「メテオラは新しいプラットフォーム」

2018 Limited Edition Meteoraの特徴

  • ボディ
    ボディ材はアッシュ。左右が非対称のオフセット・ボディを採用。JazzmasterやJaguarとは異なる新しい形のオフセット。
  • ヘッドストック
    ラージヘッド(スパゲティロゴ)
  • ネック
    ネック材:メイプル
    指板材:メイプル
    シェイプ:モダン”C”シェイプ
    スケール:25.5インチ
    フレット数:22(ナロートール・フレット)
    指板:9.5インチラジアス
  • ピック・アップ
    ブリッジ(リア):Custom Shop Vintage-Style Tele Single Coil
    ネック(フロント):Custom Shop “Twisted” Single-Coil Tele
  • ピックガード
    ブラック(1プライ)
  • コントロール
    1ボリューム、1トーン(クローム製)
  • ブリッジ
    3サドル(ブラス製)
  • カラー
    バタースコッチ・ブロンド
  • 生産国
    USA(MADE IN USA)

Fender Meteora HHの特徴

  • ボディ
    ボディ材はアルダー
  • ヘッドストック
    ラージヘッド(スパゲティロゴ)
  • ネック
    ネック材:メイプル
    指板材:パーフェロー
    シェイプ:モダン”C”シェイプ
    スケール:25.5インチ
    フレット数:22(ナロートール・フレット)
    指板:9.5インチラジアス
  • ピック・アップ
    ブリッジ(フロント):Player Series humbucking
    ネック(リア):Player Series humbucking
  • ピックガード
    ブラック(3プライ)
  • コントロール
    2ボリューム:ブリッジ・ピック・アップ用とネック・ピック・アップ用
    1トーン:コイルタップでハムバッキングとシングルを切り替え可能
    プッシュスイッチ:オン/オフでブリッジ用とネック用のボリュームを入れ替え可能
  • ブリッジ
    Adjusto-Maticブリッジ
  • カラー
    キャンディアップルレッド、サーフグリーン、レイクプラシッドブルーの3色
  • 生産国
    メキシコ(MADE IN MEXICO)

2018 Limited Edition MeteoraとMeteora HHの違い

  • ボディ材
    Meteora:アッシュ
    Meteora HH:アルダー
  • 指板材
    Meteora:メイプル
    Meteora HH:パーフェロー
  • ピックアップ
    Meteora:2シングル
    Meteora HH:2ハムバッキング
  • ピックガード
    Meteora:1プライ
    Meteora HH:3プライ
  • コントロール
    Meteora:1ボリューム、1トーン
    Meteora HH:2ボリューム、1トーン、1プッシュスイッチ
  • ブリッジ
    Meteora:3サドル
    Meteora HH:Adjusto-Maticブリッジ
  • カラーバリエーション
    Meteora:1色
    (バタースコッチ・ブロンド)
    Meteora HH:3色
    (キャンディアップルレッド、サーフグリーン、レイクプラシッドブルー)
  • 生産国
    Meteora:USA
    Meteora HH:メキシコ

Fender Meteoraの試奏動画

フェンダー公式YouTubeチャンネルによるMeteoraの解説動画(試奏はなし)

Slipknotのギタリスト、Jim Root(ジム・ルート)によるMeteoraの試奏動画

ハムバッカー2基搭載のMeteora HHの試奏動画。コイルタップでハムバッキングとシングルを切り替え、プッシュスイッチでブリッジ用とネック用のボリュームの効きを逆にできる。

Player Plus Meteora HH

2022年、Player Plusシリーズから新たなスペックとカラーバリエーションのMeteora HHが登場。メイプル指板のサンバースト、シルバーバーストと、パーフェロー指板のベルエア・ブルー、コズミック・ジェイドの4色がラインナップ。

前述のモデルからの主な変更点としては、指板のRが9.5インチから12インチに、ブリッジには2点支持トレモロが搭載。2ボリューム、1トーンだったコントロール部は1ボリューム、2トーンに変化。ボリュームノブに搭載されたS-1スイッチでハムバッキングとシングルコイルを切り替えることができる。

  • ボディ
    アルダー
  • ネック
    ネック材:メイプル
    指板材:メイプル or パーフェロー
    シェイプ:モダン”C”シェイプ
    スケール:25.5インチ
    フレット数:22(ミディアムジャンボ・フレット)
    指板:12インチラジアス
  • ピック・アップ
    ブリッジ(リア):Fireball Humbucking
    ネック(フロント):Fireball Humbucking
  • ピックガード
    3プライ
  • コントロール
    マスターボリューム、2トーン
    S-1 Switch(コイルスプリット)
  • ブリッジ
    2点支持シンクロナイズドトレモロ
  • カラー
    サンバースト、ベルエア・ブルー、コズミック・ジェイド、シルバーバーストの4色

Player Plus Meteora HHの動画

Player Plus Active Meteora BASS

Player Plus Meteora HHと同時にベース版のMeteoraも登場。

こちらはサンバースト、シルバーバースト、テキーラ・サンライズ、オパール・スパークの4色がラインナップされている。

ABOUT ME
執筆者:稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
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