ギター用語

パワーサプライ – 機能の違いと選び方

パワーサプライとは

パワーサプライは、エフェクターに電源を供給するための機器。1台で複数のエフェクターの電源を賄うことができ、多くのエフェクターを同時に使用する人には必須アイテムと言える。

機能の違い・選び方

多くのメーカーから様々なモデルが発売されているパワーサプライ。電源さえ供給できればどれも同じかと思いきや、それぞれに細かい違いがあるので、自分の機材環境に合わせた物を選びたい。

  • 電流容量
  • 出力数
  • 通常型・独立型・分岐型
  • 対応電圧
  • 電圧の変換方式
  • 極性

電流容量

パワーサプライには、使える電流の上限がある。最大出力「500mA」や「1000mA」と書かれているのがその上限値で、この上限を超えるとエフェクターが動かなくなってしまう。容量内であっても、上限ギリギリで使用すると動作が不安定になることがあるので、余裕を持って使いたい。

また、全体の容量だけでなく、各端子ごとにも容量の上限があるのでそちらも確認しておきたい。端子ごとに出力が異なる場合もあり、どの端子にどのエフェクターを接続するかも重要となる。

出力数

出力数は何台のエフェクターを接続できるかの数。自分が使用するエフェクターの数はもちろん、今後増やしたいと思っている数まで考慮すると安心。端子によって電流容量や対応電圧が異なるタイプもあるので、手持ちのエフェクターと合わせて確認しておきたい。

通常型・独立型・分岐型

パワーサプライには、「通常型」「分岐型」「独立型」の3種類がある。

通常型は、レギュレーターと呼ばれる電流を安定させる回路を通じて各エフェクターへと送るタイプ。一般的なパワーサプライの多くがこのタイプで、商品としての選択肢は多い。

独立型(アイソレート型)は通常型と異なり、端子ごとにレギュレーターが付いているタイプ。通常型でアナログエフェクターとデジタルエフェクターを併用した場合、変動電圧が原因でノイズが発生してしまうが、独立型であればこれを回避することができる。比較的高価な製品が多い。

分岐型は、アダプターの先に複数の端子が付いているタイプ。通常型のようなレギュレーターはなく、電力の安定性に欠ける。その分安価で、サイズもコンパクト。パワーサプライというよりも、アダプターのパッチケーブルと言った方がよいかも。

デジタルエフェクターとアナログエフェクターを両方使うなら独立型、どちらか一方しか使わないというのであれば通常型がオススメ。ノイズなんて気にしない、とにかく安く済ませたい、という人なら分岐型。

ノイズ
【少】 独立型<通常型<分岐型 【多】
価格
【安】 分岐型<通常型<独立型 【高】

対応電圧

エフェクターの駆動電圧には、9V駆動のものと18V駆動のものがある。ほとんどのエフェクターは9V駆動で、パワーサプライの電圧も9Vであることが多い。

例:StrymonのZuma R300の場合、右端の端子のみ「9V」「12V」「18V」を選択できるようになっている。
strymon_zumar300_la_2

高電圧な18V対応のエフェクターは、9Vのものと比べてダイナミックレンジが広く、音圧のあるハイクオリティなサウンドが魅力だが、9Vの電源だと正しく動作しない可能性があるため、18Vに対応したパワーサプライを使用する必要がある。

また、9Vで問題なく動作するが、高電圧にも対応したエフェクターも存在する。例えば、Xoticの『EP Booster』は、9Vから18Vまでの電源に対応しており、18Vで使用するとサウンドのクオリティが向上すると言われている。

電圧の変換方式

パワーサプライがエフェクターへ電気を送る際には、ACアダプターでAC電圧からDC電圧へと変換することになる。この変換の方式には「トランス方式(リニア方式)」と「スイッチング方式」の2種類がある。

トランス方式は変換効率が悪く、電流の容量が少なくなりがち。また、回路が大きいことからアダプターのサイズが大きくなり、その分重くなる。しかし、ノイズが少ないというメリットがある。ノイズに弱いアナログエフェクターに向いている。

スイッチング方式は変換効率が良く容量が大きい。アダプターは小さくて軽いが、トランス方式と比較するとノイズが出やすいのがデメリット。

極性

エフェクターには「センターマイナス」「センタープラス」の2種類の極性があり、パワーサプライと極性が一致しないとエフェクターが動作しない。一般的なコンパクトエフェクターは「センターマイナス」のものがほとんどで、一部の古いファズなどが「センタープラス」となっている。

パワーサプライやエフェクターに記されたマークでどちらかを判別できる。下の画像のように中央部分とマイナスがつながっているのが「センターマイナス」。
Center-Minus

センターマイナスの電源でも、極性反転ケーブルという変換ケーブルを用いることで、センタープラスのエフェクターでも使用することができる。ただし、変換ケーブルを用いたとしても、通常型や分岐型のパワーサプライでセンターマイナスとセンタープラスを混在して使用することはできないため、独立型を使用するか別の電源を用意する必要がある。

タイプ別定番パワーサプライ

通常型

CUSTOM AUDIO JAPAN 【AC/DC Station Ⅵ】


電流容量450mA、9V出力を8つ持ち、ノイズの少ないトランス方式(リニア方式)の定番パワーサプライ。コンパクトなボディーは本体重量235gと軽量で、価格もお手頃なロングセラー商品。

noah’s ark 【AC/DC-1 パワーサプライ】


8つの9V出力と3つの12V出力が可能なノアズアークのパワーサプライ。他の製品にない特徴として、4つのAC出力も持っており、電源タップとして使用することが可能。ステージ上など、コンセントに限りのある場面で活躍してくれる。ただし、重量は1kg以上あり持ち運びには不向き。

One Control 【Distro All In One Pack】


8つの9V出力と12〜18Vを自由に可変できる「SAG DC OUT」を1つ備えたパワーサプライ。最大容量2000mAという大容量にも関わらず、非常にコンパクトで本体重量127gと、持ち運び用には非常にありがたい軽量モデル。

付属のケーブルが15cm×1、30cm×3、50cm×3、70cm×2、と長さを選んで使える点も嬉しいポイント。

独立型

VITAL AUDIO 【POWER CARRIER VA-08 Mk-Ⅱ】


6つの9V/500mA出力と2つの9/12/18V可変/800mA出力を持ち、最大2000mAと余裕のある容量を持つ「POWER CARRIER VA-08 Mk-Ⅱ」。価格が高くなりがちな独立型ながら、1万円以下で入手でき、高いコストパフォーマンスを発揮してくれる一台。

strymon 【Ojai】


数あるパワーサプライの中でも、その品質から一際高い評価を得ているのがstrymon(ストライモン)の「Ojai(オーハイ)」。5つの9V5/00mA出力は独立型の回路とカスタムトランス内蔵で、超低ノイズかつダイナミクスレンジを広げ、電源供給だけでなく音質の向上にも一役買ってくれる一台。


「Ojai R30」は9V/500mAの出力が3つと、9/12/18V対応の出力2つを備えたモデル。

「Ojai」と「Ojai R30」は、「Ojai X」「Ojai R30」というエクスパンション・キットによって増設することが可能。1つのアダプターからOjai2台で10口、3台で15口と出力を増やすことが可能となっている。

VOO DOO LAV 【PEDAL POWER 2 PLUS】

世界中で愛され、「パワーサプライと言えばこれ」とも言われるロングセラー商品。各出力ごとにノイズ対策が施されている。各端子の電流容量が100mAか250mAなので、他と比べると小さめな点には注意が必要。また、本体重量も約900gと少し重め。

各出力の9V/12Vは、裏面のDIPスイッチによって切り替えが可能。

Fender Engine Room

2021年、Fenderから発売されたパワーサプライ「Engine Room(エンジンルーム)」シリーズ。「LVL5」「LVL8」「LVL12」の3種類で、数字がそのまま出力の数となっている。

アノダイズドアルミニウムのオシャレな外観。

全て独立型の出力で「LVL8」「LVL12」は12V/18Vへの電圧切替可能な出力に加え、USBのポートもあるのでスマホやタブレットの充電にも使うことが可能。

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タケ
ギターコンシェルジュ運営者。日々、ギターのお勉強中。