ギター用語

ポリウレタン塗装とは ‐ ギターやベースのポピュラーな塗装方法の一つ。

ポリウレタン塗装とは

「ポリウレタン塗装」は、ポリウレタン樹脂塗料を用いた塗装方法。ギターやベースのポピュラーな塗装方法の一つ。二液の反応によって塗膜を形成する。通称「ウレタン」。

ポリウレタン塗装の特徴

ポリエステル塗装との違い

ギターやベースの塗装において「ポリ系塗装」と言うと、「ポリウレタン塗装」と「ポリエステル塗装」とがあり、似た性質を持つものの厳密には違いがある。区別する場合には「ポリウレタン塗装」は「ウレタン」、「ポリエステル塗装」は「ポリ」と呼ばれるているようだ。

ポリエステル塗装との比較はこちらの記事で↓

ポリエステル塗装
ポリエステル塗装とは ‐ 厚い塗膜を形成できる、安価な塗装方法ポリエステル塗装とは ポリエステル塗装は、塗装方法の種類の一つ。塗料としての正式な名称は「不飽和ポリエステル樹脂塗料」。通称は「ポリ塗...

ラッカー塗装との違い

ラッカー塗装と比較して「塗膜が厚く鳴りを阻害する」と言われる事が多いが、塗膜が厚いのはポリエステル塗装のことで、ポリウレタン塗装の場合はラッカー塗装並に薄い塗装も可能となっている。塗装後の研磨が甘く塗膜が厚いものもあるが、そのあたりは塗装方法よりも個別の事情による違いと言える。

ラッカー塗装が温度や湿度に弱いことや、ゴムに反応して溶けてしまうなど、扱いが難しいのに対し、ポリウレタン塗装は安定しているため、初めてギターを購入する初心者でも安心して扱うことができる。

ポリウレタン塗装による塗膜は、ラッカー塗装のように経年変化はしにくい。長年に渡ってそのルックスを維持できるということになるが、逆に言えば経年変化による「味」が出にくいとも言える。意図的にダメージを与えてヴィンテージの風合いを出す「レリック加工」を施す場合も、頑丈な塗膜を持つポリウレタン塗装では、ウェザーチェックなどのひび割れを再現するのが難しくなる。

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レリック加工 / エイジド加工 ‐ ヴィンテージを再現するためのダメージ加工レリック加工とは? 「レリック」「レリック加工」は、ギターのボディ等に意図的にダメージを与えた加工のこと。本来であれば長年の経年変化に...

ポリウレタン塗装のメリット

  • 一度硬化してしまえば変化しないため、硬度が高く傷に強い。
  • 安定していて、初心者でも扱いやすい。
  • ラッカー塗装と比べると、塗装にかかる手間が少なく、管理もしやすいため安価。

ポリウレタン塗装のデメリット

  • ラッカー塗装のような使い込むことで味の出る塗装ではない。
  • 傷には強い塗膜だが、衝撃には弱く割れやすい。
  • 長期間光が当たると反応して黄変する可能性がある。(最近では改良され、黄変は少なくなっている。)
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執筆者:タケ
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

ギター歴23年。

愛機:Gibson Les Paul Custom、Black Cloud Aging Label #022、Stilblu #100、Legator Ninja N7FX

日々、ギターのお勉強中。
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