ギター用語

ソリッドギター − ボディに共鳴胴を持たないエレキギターのこと

ソリッドギター

ソリッドギターとは

ソリッドギターは、ボディ内部に空洞(共鳴胴)を持たないエレキギターのこと。「ソリッド(solid)」は英語で「個体の」「中身のある」といった意味。

空洞が無く素材の塊でできたボディを「ソリッドボディ」と呼び、ソリッドボディでできたギターを「ソリッドギター」と呼ぶ。一枚板の木材でできたボディだけでなく、トップ材とボディ材が分かれているなど複数の木材を張り合わせたボディの場合もソリッドギターと呼ばれる。

一般的にロック等で使われる「エレキギター」としてイメージされるような、レスポール、ストラトキャスター、テレキャスターといった代表的な機種は、どれもソリッドギター。

ソリッドギターとは逆にボディ内部に空洞があるギターは、「フルアコ=フルアコースティックギター」や「セミアコ=セミアコースティックギター」に区別される。

フルアコ

セミアコ

ソリッドギターの歴史

  • 1931年
    エレクトリックギターが世界で初めて登場したのは1931年。リッケンバッカーから発売されたのが膝に載せて演奏するラップスティール・ギター(通称:フライングパン)で、このギターがアルミ製のソリッドギターだった。

  • 1930年代
    一方で1930年代には、アーチドトップにピックアップが搭載されたギターが多く発売されたが、ピックアップは補助的なものであり、共鳴胴を持つボディで大きな音量を作り出すというのが基本的な構造となっていた。
  • 1940年代
    その後1940年代に入り、置いた状態で弾くラップスティール・ギターではなく、抱えて弾くスパニッシュギターのエレクトリックギターでも、ソリッドボディの物が作られ始める。

    世界で初めてのソリッドギターがどれなのかは諸説あるが、1947年にカントリー・ミュージック用として初めて製作されたとも言われている。

    1948年に製作されたポール・ビグスビーのソリッドギター。

  • 1949年
    初めて商品化されたのが、1949年。Fenderから、テレキャスターの原型となった「エスクワイヤー(Esquire)」が発表された。

  • 1950年
    そして1950年、Fenderから世界初の量産型ソリッドギターであるBroadcaster(ブロードキャスター)が登場した。

セミソリッドとは

エレキギターの中には、「ソリッドギター」「セミアコ」「フルアコ」の分類で言えば「ソリッド」なんだけれど、ボディ内部には空洞があるギターというものも存在する。そういった「チェンバー構造」のギターは「セミソリッド」と呼ばれる

例えばFenderのテレキャスター・シンラインは、ボディをくり抜いてトップ材で蓋をしているセミソリッド構造。

また、Gibsonが一部のレスポールの軽量化のため行っている加工「ウェイト・リリーフ」は、一見すればソリッドギターであるレスポールをセミソリッド化しているとも言える。

ウェイト・リリーフについては、以下の記事で詳しく解説。

ウェイトリリーフ
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執筆者:タケ
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ギター歴23年。

愛機:Stilblu #100、Black Cloud Aging Label #022、Gibson Les Paul Custom 

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